6月16日。草津市立まちづくりセンター。

今回はこちらで、滋賀に暮らす4人の2030年を考える「未来アイデアソン」を開きます。今回ご一緒させていただくNPO団体「D.Live」の活動拠点の一つということもあって、この場所にしました。

D.Live 代表の田中洋輔さん。実は Policy Lab. Shiga で今回追いかけているペルソナの一人「藤澤守」くんのリサーチでは、D.Live のみなさんからご意見をいただいたり、D.Live の集まりに顔を出させていただくなどしていました。子どもや親一人ひとりと向き合いながら、子どもの自信を育む事業を展開する D.Live と一緒にアイデアを考えることで、Policy Lab. Shiga が目指す「県民の本音を起点にした政策形成」のあり方を考えるヒントにもなればと思い、今回ご一緒していただきました。

Policy Lab. Shiga は、「県」というマクロなものでなく、あえてミクロな「県民の本音」というものを起点にしてサービス(施策)をつくることによって、共感しあえる行政を目指せないか、そんな行政経営の新たなプロセスを模索しています。

しかし今の行政の仕事では、どうしても部局単位の課題、つまり「サービス提供者側のアウトプット」からスタートしてしまい、県庁全体で県民の本音(インサイト)を起点に考えるような仕事ができていません。アプローチしたい県民の具体像を描き、その幸せ(アウトカム)を部局またがって共有しあうような仕事のしかたを考えるために、現行の政策プロセス・予算編成・組織体制から一旦離れた政策研究プロジェクトを立ち上げてみることにしました。

Policy Lab. Shiga のコンセプトは「『県民の本音』を起点にする」というとこりにあります。思い込み・思いつきで設定しようとせず、人間中心デザインを活用したリサーチを、1年かけて学びながら試行錯誤で取り組んでみることにしました。

チームごとに見つめたい人を設定し、デプスインタビュー等の方法でその人物像・価値観を調査して、その人が2030年滋賀で暮らす上で問題になりそうなことを発見し、その問題を解決するためのアイデアを色んな人たちと考える。

現在はこのアイデアを考える第2フェーズの時期にいます。第1フェーズの「問題発見」では半年という期間を設けてじっくり調べましたが、第2フェーズの「アイデア&プロトタイピング」ではスピーディーにかつアジャイルに行おうとしています。

そのアイデアが本当に役立つものかどうかは、実際にその顧客に尋ねてみないとわかりません。その上で随時軌道修正を図りながら、1ヶ月後またアイデアソンを開いていく。このサイクルをいま実践してみているわけです。

検証はできるだけ早く行うのがよいということで、あるチームはアイデアソン終了後に行なっていました。でも1ヶ月でどれだけの検証ができたのでしょうか?

というわけで、各チームからの現状報告を聞いてみましょう。

自分でない誰かになりたくて。(藤澤守、13歳 男性 中学生)

前回のアイデアソンで共有した守の痛みというのは、とにかく自己肯定感が低く、他人のものさしに振り回されてしまい、自分の考えが持てていないということでした。
そこで、守ひとりだけが悩んでいるのではなく、多くの人が同じ悩みを抱えていることを守に知ってもらうために、県内のあらゆる世代の体験談を集めて冊子にして、ネットとかで公開してはどうかというアイデアが出ました。アイデアソン終了後にチーム内でもそのアイデアについて話し合ったところ、悩みだけではなくて、どんな中学生でもまずは手にとってもらえる、明るくユーモアのある内容で作ってはどうかという話になり、色んな人に意見を聞いてみました。
検証では、守と同じような境遇を経験したことのある大学生と、不登校のお子さんをもつ親世代の方の2名に話を聞きました。
大学生の方からは「テレビや音楽、漫画などをあまり読まなかったので校内でそういう話題を共有できなかった」という話を聞きました。「友達との共通の話題づくりについて、他の人がどうやって乗り越えたのかということに興味がある。そういう体験談が冊子に載っていれば手にとってみたいし、全然違う世代の人も同じ悩みがあったと思えることはよいと思う」との意見をもらいました。
あと親世代の方からは、「不登校になってしまったら深く後悔してしまう。、思春期の息子とどう向き合えばいいのか、そういうことも冊子に盛り込んでもらえたら」という意見もいただきました。
しかし検証をやってみると、ヒアリングの相手は「藤澤守だったらどう考えるか」とペルソナの感情に引っ張られてしまい、「あなただったらどう考えるか」というところがなかなか引き出せないところがありました。その反省は今後の検証に活かしたいと思います。

やっと作り出せた友達との「居場所」が、就職や結婚を機に変わり…。(
宮川拓也、28歳 男性 会社員)

前回のアイデアソンでは「同窓会」というアイデアが出ました。
彼は環境が変わるなかで新しい友達ができないので、新しい出会いがあればいいんじゃないかと。ただひとりで全然知らないところにポンと行くのはなかなか難しい。であれば知っている人の関係を通じて出会える場があれば自分の気の合う人たちと見つけられるんじゃないか。それで同窓会というアイデアに至ったんですね。
そして検証したんですけれども、同窓会は全然響かなくて(笑)。ヒアリングをしても「あったら行ってみたい」と言われるんですけど、でも同窓会に求めていることって「久々に会った」とか「懐かしいあの時の思い出」みたいなもので、ライフステージが変わっていくなかで新たな関係を築くものとは合わないことに気付きました。
あとヒアリングを通じて気付いたのは、大学時代は選択肢が与えられていたということでした。社会人になるといきなり町に出て社会人サークルに行くのは大学のサークルに行くよりもハードルが高いのだと。ライフステージが変わっていく中でのそういった戸惑いについて、注意してこれから検証していきたいと思います。

私、滋賀に「移住」しました。
(加藤美花、35歳 女性 主婦)

前回のアイデアソンでは、美花さんは幸せで、悩みなどないんじゃないかという話になりました。そこで「今ある幸せを2030年も維持する」という目標設定をしたのですが、現状を妨げうるのは、子どもが成長することと、夫が単身赴任すること。そんなとき美花さんはどうなっちゃうんだろう、困ったときに誰に相談するんだろう、ということが話題になりました。
そこで、美花さんが困ったときに、どんな相談窓口があるのかとか解決策などを検索できるアプリを作ったらどうか、密な人間関係が好きでないなら、たまに会う人に悩みを相談できるような移動型カフェをつくってみてはどうかという案が出ました。
アイデアソン後、県外に住んでいて県内で働いている方に尋ねたところ、移動型カフェを開くなら相談相手はお店の人ではなくお客さんどうしで相談しあう場にした方がいいのではないか、或いはリラックスできる場所であれば相談しやすいので、例えば美容室のように密な時間を過ごすなかで相談しあえるような場もあるんじゃないかという意見を得ました。
その検証結果を踏まえて、今回はまだ気付いていない部分でもうちょっと本人が幸せを感じられるようなサービスを考えられたらなと思いました。

同じ言葉、同じ思い出、同じ感覚。持ってない私は置いてけぼり。
(高橋侑季、25歳 女性 会社員)

前回のアイデアソンでは、「ローカルに根ざさないような趣味とかで楽しい世界を見つけたらいいんじゃないか」という話から「『うみのこ』のような、みんなが共有している思い出を疑似体験したらどうか」というアイデアが挙がりました。本人は積極的に足を運ぶような人でもないので、会社の研修プログラムとして設定されていれば無理なく行けるのかなと。
そのことを県外から滋賀に就職した方にインタビューしてみたら、疑似体験については「それ面白そう」と反応してくれたので。そこを深めていってもいいし、また他のことも考えながら、もう少しこの子の幸せを考えられたらと思います。

検証は、「そのアイデアは本当に必要とされるものなのか」「いま尋ねている相手は自分たちの顧客になる人なのか」を確かめ、必要に応じて相手の経験談などを深掘りすることで、ニーズを探っていくために行います。

が、ここまでのところ、結果としてどうも相手と一緒にアイデアを出しあうようなヒアリングになってしまっているようです。ひとまず今回はこの状態でアイデアを膨らませていきますが、どこまで自分たちが描いた「ペルソナ」を起点にアイデアを固めていくことができるかが、第2フェーズの勝負になりそうです。

前回と同様、4つのテーブルを設けてリーダーを配置。参加者は15分ずつ4つのテーブルをまわって、リーダーからペルソナの詳細を尋ね、「彼ら / 彼女らが2030年滋賀で幸せに暮らすうえで問題になりそうなこと」は何か、確認しあいます。

2回目ということもあって、各リーダーも自分なりのやり方を見つけ、各々のやり方で話を進めています。



しかし会場も違えば参加者も違っていて、雰囲気も全然前回と違っているのが面白いです。



15分経ったら次のテーブルへ移ってくださいね。

付箋で整理する際は、「痛み・本音」は青色の紙に、「アイデア」は黄色の紙に、それ以外のことはピンク色の紙に書いてもらっています。

前回とは全然違うキーワードが出てくるテーブルも出てきました。

15:00になりました。4つのテーブルを回り終えたら、今度は各自で興味のあるテーブルに移り、グループを形成します。このグループでこれから16:30まで、アイデア出しに臨みます。

今回は32名参加ということで、1テーブル8名になりました。ちょっと集中しすぎたので、テーブルごとに適宜休憩を取りながら進めていってください。

高橋侑季さんのテーブルは前回同様、付箋には書かず各自の話をリーダーが模造紙に書いていくスタイルで話を膨らませていきます。

自分なりにやりやすい方法でアイデアを出していってくださいね。

一方で宮川拓也くんのテーブル。どんな議論が行われているか、少し耳を傾けてみましょう。

「拓也くんは何も悪くないので何もしなくていいと思うんです。簡単にいえば拓也くんの周りにあるものにアプローチした方が早いんじゃないか」
「拓也くんが活躍できて受け入れてもらえる場というのは実はたくさんあって、それらの場が拓也くんにどうアプローチするのかという視点を持ったほうがいいですね。ペルソナに描いたストーリーも、拓也くんにどう刺さるかを検証するために使うと」
「そうそう。ペルソナを作る上で、拓也くんの事例から脱却した人にインタビューしました?それが見えていれば、そこから再現性のあるものを抽出していけば、解決できる気がするんです」
「僕は割と脱却した人に近いかなと思います。地元のしきたりとか雰囲気に馴染めなかったところ馴染めるようになったのは、地元の雰囲気に馴染んでいる奴が仲良くしてくれたから」
「トリッキーに新たな場を考えるよりも、既にたくさん存在しうるきっかけの場に、拓也くんが合うもの・合わないものを考えたほうが良さそうですね」

こんな感じで他のテーブルでも、各参加者が議論を重ねています。

立場関係なく各々の経験談を出しあったり意見をぶつけ合っています。世代や職場が違っていても、県民の本音起点になっていること、そしてその問題点の認識がお互い共有されていることによって、一つの目標に向かってフラットな議論ができるのかもしれません。




時間が経過するにつれ、各テーブルのテンションも上がってきているようです。「そうそう!」みたいな言葉が飛び交うようになりました。




そうこうしてるうちにあと30分になりました。


と、高橋侑季さんのテーブルが動き出します。何書いてるの?


あとで発表するアイデアのプロトタイプだそうです。実物があるとイメージしやすいですもんね。


そして16:30。ここで各テーブルのワークは終了です。


できた!という高橋侑季さんのテーブル。おつかれさまでした!


こちらも大盛り上がりだった加藤美花さんのテーブル。果たしてどういうアイデアが出てきたのでしょうか?


というわけで、各テーブルのリーダーから、どんな話が行われたのか発表をしてもらいましょう(以下はアイデアソン終了後に各リーダーからもらったテキストを掲載します)。

私、滋賀に「移住」しました。
(加藤美花、35歳 女性 主婦)

今回は、美花さんが大事にする「おかされず、おかさず」を尊重したうえで、彼女が深刻に悩む前段階で、「モヤモヤしているが他人に聞いたらすぐに解消するようなこと」を聞ける相手がいれば良いのではないかという話になりました。例えば、ごみの捨てかたのルールとか、地域のゴミ拾いの日はどのくらいの雨が降ったら中止になるのか…等、ささいな事柄です。
まず、知りたいことを聞く関係になるためには、お互いの名前はわからなくても、互いに顔を認識している必要があります。
近所でイベントやマルシェをして人を集めたら良いとの案がでました。しかし、人は目的を終えたらすぐにその場を去ってしまうので、そういう場はお互いの顔を認識する場としては役立たちません。
そこで、目的は無いけど人が集まる場所を作るためにはどういうサービスがあればよいかを考えました。
具体的には2つアイデアが出ました。まずは「公園を芝生にしてみる」。芝生にすることで、現在よりも多様な世代が公園を憩いの場として利用することを期待しました。
そして2つめは「住宅街に色んなベンチを置く」。進行方向によって「おはよう」「おかえり」と見えかたが違うおもしろベンチを置いて挨拶しあえるきっかけをつくったり、フックを付けて飼い主とペットが休憩できるベンチを置いて散歩しやすくなる閑居うをつくったり、防災グッズを収納したり防災時に炊き出しに使えたり簡易トイレになるベンチを置いて防災訓練をするようなアイデアが出ました。
全体的に「ベンチがゆるく人を繋ぐ場として無限の可能性を秘めている」という話で盛り上がったのが印象的でした。

やっと作り出せた友達との「居場所」が、就職や結婚を機に変わり…。(
宮川拓也、28歳 男性 会社員)

今回のアイデアソンにおいて拓也くんの痛み(インサイト)は、結婚や就職を機にだんだん気の許せる友達が減ってきたことと、将来やってくる孤独への不安、ということではないかという話になりました。
であれば、気の合う人と出会うきっかけがあれば良い、ということに落ち着き、ここまでは前回同様、拓也くんには新しい出会いを提供するアイデアを考えるという流れになりました。
そして、今回は「バトミントン街コン」こと「バドコン」というアイデアが出ました。内弁慶で一人で知らないイベントやサークルに参加するのは得意じゃない拓也くんにとって、最初の入り口は自分が大学時代に経験したことのあるバトミントンが良いのではないか、ということになりました。
また、彼の本当の幸せは「自分がここにいていいんだ」と思ってもらえる人達に囲まれることで、それには自分が何かをすることで、仲間が喜んでくれる、ということがとても重要な要素であると思います。
そこで、今回のバドコンでは、連続して参加するなかで、どう自分の役割が変わっていくのかを示し、それも含めて告知する、というアイデアです。たとえば、参加回数に応じて、(STEP1)参加者、(STEP2)ベテラン、(STEP3)企画者、(STEP4)人と人との仲人役、(STEP5)他の街コンとのつなぎ役、などなど。「単なる参加者というより企画側にもなれる街コン」で拓也に新しい一歩を踏み出してほしいです。
今度もこのアイデアは次のアイデアソンまでに検証していきます。

同じ言葉、同じ思い出、同じ感覚。持ってない私は置いてけぼり。
(高橋侑季、25歳 女性 会社員)

高橋さんが心にもやもやを感じているのは、地元を同じくする人たちが外から来た人にはわからないような話をすること。地元の人たちが地元のあるあるネタを話して勝手に盛り上がっていること。ただ、地元あるあるを地元の人が言うのは、その地元が好きだから。なので、高橋さんのもやもやを解消するにあたっては、それをネガティブに捉える路線ではなく、活かすような方向で考えてみたいと思いました。
そこで出た意見が「新地元あるある」という考え方。地元の人と全く同じ土俵で共感しようと思っても難しいです。でも、自分の知らないその地域のあるあるを聞くのは結構面白い。それに、聞いたことを追体験することもできると思うので、なお、面白いと思います。ただ、それでは共感や共有としては弱いかもしれない。そこで、外から来た人の外から見たその地元のあるあるを織り交ぜていくのはどうかと考えました。あるあるはできれば自虐も含めつつ、クスッと笑えるものにして、キャッチ―なコピーで注目を集められたらと思いました。
今日は、具体的なあるあるや企画まで考えて、試作品を作ってみました。あるあるとしては、例えば、「そんなに子ども飛び出します?」(飛び出し坊やが異常に多い様子を見て。飛び出し坊やの写真を添えて。)「なんかみんなホップカード持ってる。」「浮気町って地名まずくないですか?」などがありました。これらを「そういえば滋賀」とい取り組み名として、たとえば、あるあるカードやポスターを作るなどし、外から来られた方にも面白く滋賀を知ってもらい、もともと滋賀に住んでいた人たちとも滋賀のあれこれを共有できたらと思っています。ちなみに、「そういえば滋賀」というのは、我々などは近畿の地味な方の県ですので、常にとは言いませんが、ふと思い出していただけるような存在でありたいと思っていますのでどうかという謙虚に身の程わきまえた、かつ京都等に対するコンプレックスが見え隠れするネーミングです。この案は後日、大人になって外から滋賀に来た人という部分で高橋さんと境遇が似ている方に感想を聞いてみた後、良さそうであれば実際に動かしてみたいと思っています。

自分でない誰かになりたくて。(藤澤守、13歳 男性 中学生)

最初に守の抱える痛みについて話し合い、主に以下のような意見が出ました。 
・誰もが持つ痛み。
・劣等感。
・理想が高すぎる。
・自分と向き合えていない。
この中で特に劣等感に焦点を当て、守が弟やクラスメイトに感じている劣等感を解消するにはどうすればよいかアイデアを出し合いました。
アイデアとしては、親かそれとも守にダイレクトにアプローチするのか、また学校の先生にアプローチするのかといったように様々な角度からの意見が出ました。その中で、「誰とも比べなくて良い環境が必要」「守と同じようなことで悩んでいた大人の体験談が聞けたり、勉強や運動がずば抜けてできた訳でもないが幸せに生きている普通の大人の話が聞けるような場所が必要」という意見から、学校と家庭以外の場所を提供してはどうか、それも特別にどこかに出かけていくのではなく、放課後に学校内で開催してはどうかといったアイデアが出ました。またそういった取組を行うモデル校を作り、効果検証してはどうかということになりました。
感想としては、アイデア出しをしていると自分の経験や身近にいる子どもについついフォーカスを当てすぎてしまうので、守という特定の個人の幸せを考えているつもりが実は違ったといったことにならないようにしないとと思いました。また答えは1つではないので、たくさんいただいたどの意見に焦点を当て、検証していくのか、とても難しく感じました。

今日の結果や反省を踏まえ、各チームでは再び検証を行い、7月14日(土)に3回目のアイデアソン、そして7月末に最終的なサービス案をつくります。その利用イメージをわかりやすくまとめるため、今回は「9コマシナリオ」(リンク先とは少しコマ構成が違います)という手法を用いることにしました。次回のアイデアソンではこの9コマシナリオをテーブルごとに作っていく予定ですので、お楽しみに。

というわけで4時間本当におつかれさまでした。今日の機会に名刺交換をしあいましょう。

(Policy Lab. Shiga の趣旨に賛同いただければ)ここで意気投合した人たちがチームに加わるのもアリです。検証は「絶対に」一人で行わず、複数人で行い、客観的な分析を行えるようにすることを要件にしています。ぜひリーダーの力になっていただけると嬉しいです。

プロトタイプは一種の成果物ですよね。ということで記念写真w

この中の誰が県職員なのかがわからないw それくらいフラットなアイデアソンになった気がします。

得てして「協働」と名のつく意見交換の場は、結果として対立の構造ができていたり、行政にとってのエクスキューズの場になりがちですが、今回のように一人の共感しあえるペルソナを通じて生まれたフラットな関係のなかで、各々の立場から県民一人ひとりの問題に向き合い、一緒に幸せにしていくことができたらなと思います。

会場は17:00まで借りていたんですが、話が尽きませんw さすがに会場の中にいると施設の人に怒られそうなので、外に出てきました。

「この後チームで反省会やるんですけど来ませんか?」ということで、会場近くのお店へ移動。振り返る(省察する)までがイベントですよね。

藤澤守くんのチームが、終了後に D.Live の得津さんからアドバイスをもらっていました。

ペルソナを議論の基盤にしてアイデアを出そうとするものの、気づけばペルソナに関係なく自分が前々から思ってたことをアイデアとして出したり、ペルソナ目線でアイデアを検討するつもりが自分目線になったりしがちになります。
大人って、相手が子どもだと思い入れが強くなっちゃいます。ペルソナ起点ではないアイデアや判断に惑わされないでほしい。

今回ルールとして掲げた「ペルソナ個人の幸せを第一に考える」ということと、「自分たちでできることを考える」ということを両立させることは本当に難しくて、わかっていても迷子になるところがあります。そのためテーブル内の誰かが「10番目の男」の役割を担っていると、議論が迷子になっているかどうかを都度確認することができます。そういう役割の人がおらず全員でわーっと盛り上がっている時のアイデアは、大抵あとで冷静に振り返るとダメダメだったりしますよねw

今回のプロジェクトのオペレーション上は、この辺りは回を重ねていくなかで精度が良くなっていればよいかなと捉えています。なので各チームのリーダーにも「出てくるアイデアをぜんぶ受け入れるのではなく、その中で本質的な気づきを見つけて整理してください」というお願いをしています。が、そもそもこの第2フェーズでは各チームのメンターみたいな人がおらず、そういう役割の人が必要だったのかなぁという反省をしているところです。

と振り返ったら、高橋侑季さんと加藤美花さんの各チームリーダーも同じ店で振り返りをしていました。

第2フェーズも残すところ1ヶ月半。どこまで4人の幸せにたどり着くことができるでしょうか?