Policy Lab. Shiga では、これまで参加メンバーの関心ごとにそって4つのテーマを設定し、それぞれのテーマにまつわる人が滋賀で暮らす上でどんなことを思っているのか、観察やインタビューなどといった定性調査を行なってきました。

その結果浮き彫りになったのが、4つのペルソナ(架空の人物像)です。ここでは、その一人ひとりの人物像について、簡単に紹介していきます。

Phase 2で実施する「未来アイデアソン」当日も、彼らの人物像について調査したメンバーから紹介する予定ですが、参加していただく方はできれば事前にご覧いただき、彼らが2030年に滋賀で幸せに暮らすうえで彼ら自身も語り得ない「本音」を考えてみてください。Policy Lab. Shiga では彼らの「本音」とは何か、それにどう応えられるか、を重視していきます。

いずれも架空の人物です。実際の人物・団体等とは一切関係ありません。また、このペルソナは、今後のアイデアソンや検証を通じて修正・変更する可能性があります。

私、滋賀に「移住」しました。
(35歳 女性 主婦)

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彼女は、愛媛出身の夫、5歳になる長女、10ヶ月になる長男の4人暮らし。本人は京都市内の企業に勤めていますが、夫の職場が滋賀県内にあることから、結婚と長女の出産を機に新興住宅地に引っ越しました。

元々は県外(関西)のとある市の生まれ。学生時代まで住んでいたその地域は、常にお互いが見えすぎて、自分が地域のなかでどう見られるかを意識しあうようなコミュニティでした。地元の人の噂話も耳にするのが日常で、そんな地域の人間関係にぼんやり違和感を感じながら過ごしていました。その反動で、高校〜大学は京都・大阪といった都会の方へと進学します。

そんな彼女が結婚して滋賀に引っ越した大きな動機の一つが、その地域の人々が「お互いがほどよい距離感で生きている」と感じたことでした。生まれ故郷と違って、お互いに興味を持つこともないし、噂話をすることもない。自分達の価値観に邪魔されず、綺麗な家に住み、綺麗な服を着て、働きに出る、そういった生き方ができる街だと感じたのです。そして適度に自然を感じることのできる滋賀は、建物や人で溢れかえる都会の空気に疲れるようなこともなく、これから生まれる子どもに安心して育ってもらうことができそう…。いわば地方や都会からの「移住」のような気持ちで一軒家を購入しました。

現在は育児休暇中で、一日のほとんどを子供たちと一緒に過ごしています。普段は家の中ですが、時々子供と一緒に近所の公園に出かけ、遠くに見える琵琶湖の景色を見ながらリラックスしています。新興住宅地なので自分と同じ世代の親子に公園で時々会うことがありますが、お互い同じ価値観・距離感を望んでいるものだと思えるから、さほど人間関係が気がかりになることもありません。この街は、そんな気持ちで子供たちと一緒に過ごすことのできる、貴重な空間なのです。

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