Policy Lab. Shiga では、これまで参加メンバーの関心ごとにそって4つのテーマを設定し、それぞれのテーマにまつわる人が滋賀で暮らす上でどんなことを思っているのか、観察やインタビューなどといった定性調査を行なってきました。

その結果浮き彫りになったのが、4つのペルソナ(架空の人物像)です。ここでは、その一人ひとりの人物像について、簡単に紹介していきます。

Phase 2で実施する「未来アイデアソン」当日も、彼らの人物像について調査したメンバーから紹介する予定ですが、参加していただく方はできれば事前にご覧いただき、彼らが2030年に滋賀で幸せに暮らすうえで彼ら自身も語り得ない「本音」を考えてみてください。Policy Lab. Shiga では彼らの「本音」とは何か、それにどう応えられるか、を重視していきます。

いずれも架空の人物です。実際の人物・団体等とは一切関係ありません。また、このペルソナは、今後のアイデアソンや検証を通じて修正・変更する可能性があります。

やっと作り出せた友達との「居場所」が、就職や結婚を機に変わり…。(28歳 男性 会社員)

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生まれてから現在まで滋賀を離れたことがない彼は現在会社員として、市内のマンションで一人暮らしをしています。週末は大学時代からの仲良しメンバーと車で旅行に行ったり、キャンプしたり、そんな毎日を過ごしています。

幼少時代に育った地域は、子供会のような自治会活動のあるところ。当時大人しかった拓也は、そんな子供会のなかで周囲がふざけて遊んでいるテンションに合わず、あまり楽しくない日々を過ごしていました。また、父方の実家に行くときも、そこでは昔ながらの男女の役割分担や酒を飲んで大騒ぎするような雰囲気。無理やり付き合わされるも「早く帰りたいなぁ…」と内々思っていました。

そんな彼も、高校、大学と進学するにつれて、自分を認めてくれると感じる友達に出会うようになります。無理に友達に調子を合わせる必要がないのは楽だと感じるようになると、自分と気の合う友達だけと集まる機会を自ら作るようになっていきます。企画することで感謝される、自分が必要とされる、そう感じることで「自分ってここにいていいんだ」と思える、そんな安心感を自らつくっていくようになりました。

大学を卒業すると、そんな友達の多くは就職で県外へ離れ、滋賀に残った彼と平日すぐに会える関係ではなくなっていきます。でも休日は相変わらずどこかに集まって遊んでいるし、LINE、Twitterではいつも連絡しあう関係が続いていました。社会人になっても彼らとは離れず、こんな生活が続くものと思っていたのです。

ところが20代後半、友達の一人が結婚したことを機に、よく集まっていたメンバーで遊ぶ機会が減るようになりました。「自分が自分らしくいられる場って、高校や大学の友達と一緒にいるときくらいだなぁ。結婚もいいけど、こういう関係性は変わらずにいてほしい…」。彼がほしいのは、自分を受け入れられる、必要とされる、感謝される、そんな「居場所」なのです。でも今の生活には新しい出会いの場もなく…。

少しずつ変わりゆく友達との距離感、そして自分のこれからの「居場所」に、戸惑いを感じ始めています。

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