Policy Lab. Shiga では、これまで参加メンバーの関心ごとにそって4つのテーマを設定し、それぞれのテーマにまつわる人が滋賀で暮らす上でどんなことを思っているのか、観察やインタビューなどといった定性調査を行なってきました。

その結果浮き彫りになったのが、4つのペルソナ(架空の人物像)です。ここでは、その一人ひとりの人物像について、簡単に紹介していきます。

Phase 2で実施する「未来アイデアソン」当日も、彼らの人物像について調査したメンバーから紹介する予定ですが、参加していただく方はできれば事前にご覧いただき、彼らが2030年に滋賀で幸せに暮らすうえで彼ら自身も語り得ない「本音」を考えてみてください。Policy Lab. Shiga では彼らの「本音」とは何か、それにどう応えられるか、を重視していきます。

いずれも架空の人物です。実際の人物・団体等とは一切関係ありません。また、このペルソナは、今後のアイデアソンや検証を通じて修正・変更する可能性があります。

自分でない誰かになりたくて。
(13歳 男性 中学生)

ペルソナをみる(PDF)

中学1年生の彼は、母親と5歳年の離れた弟との3人暮らし。勉強も運動もぱっとせず、得意なこともない自分のことが嫌い。弟や同級生と自分を比べてしまい、自信を持てない日々を過ごしています。

父親は彼が小学4年生の時に単身赴任で北海道へ。単身赴任に行く父親に「お母さんと弟を頼むぞ」と言われ、長男としてしっかりしないといけないと、ますます自分にプレッシャーをかけるようになります。
しかし勉強も運動も万能な弟が同じ小学校に入学してからは、家庭内の会話も弟中心へとなっていきました。友達も多い弟の学校生活の話を嬉しそうに聞いている母親の姿をみて、彼は「自分は母親を喜ばせる話を何ひとつできない」と自分を情けなく思うようになりました。父親がたまに北海道から帰ってきても、長男の自負もあり、弟の前では素直に甘えられません。

学校でもクラスのなかでは自信が持てず、集団の中でも相槌をうつだけのことが多い彼。友人との会話も二人きりになると沈黙が続き、友人がどこかへ行ってしまって独りになるようなことも何度かあります。教室でいつも楽しそうにしている同級生達をみて「みんな悩みはないんだろうか?」と、羨ましく思っています。
中学に入ると、入学式で席が近かった子と親しくなり、陸上部に誘われます。何か新しいことに挑戦したいと思い入部、真面目に練習するものの、もともと運動が得意という訳ではないため、自分が目指す結果を残すことができません。
夏休み前の面談では進路についてクラスの担任に尋ねられるものの何も答えられませんでした。「クラスのみんなはもう進路のことを考えているんだろうか…」、担任とも距離感を感じており、自ら相談をしたり、自分の素直な気持ちを話したりできる相手がいない状態でいます。

……親に褒められ、部活で結果を出し、クラスの友達とも会話で盛り上がれるような自分になりたい、でもそんな理想とはほど遠い今の自分を、時々「殺してしまいたい」と思っている。理想の自分になるためには何をどう頑張れば良いか分からず、ただただ苦しい気持ちを抱えています。

ペルソナをみる(PDF)