
1月20日、Policy Lab. Shiga のプロジェクト第1フェーズも後半戦に突入です。今回はフェリエ南草津にある市民交流プラザの会議室を借りて実施。
記録の書き出し

今回はいつもの意見交換と違い、これまでの記録を分析して各チームが見つめたい相手の関心ごとを引き出し、そこを深掘りするために足りていない情報を洗い出してみるという作業を行いました。まずは各チームでこれまでの記録を付箋に書き出していきます。

自分たちの解釈に基づく情報ではなく、あくまで取材対象が語った事実そのものを紡ぎ出していきます。

取材対象がごっちゃにならないようにしつつ、できるだけ多くの記録を書き出していってくださいね。

付箋の情報をある程度見やすく整理して、みんなでそれらを読み合わせていきます。
見つめたい相手の推察

これらの情報を各自グループ抽出して、各チームの取材対象となっている人について「この人はこういうことを思ってるんじゃないかな?」という推察を行ない、キーワード単位で付箋に書いていきます。

各々の解釈をぶつけ合い、膨らませていきます。少し記録の背景がわからない場合は取材者に直接尋ねてみましょう。

その場で記録の付箋に再グルーピングを試みる人も。こういう再整理は大事ですね。

と、気がつけばこんな感じで記録が埋まっていきました。後半は各々が書いていった解釈情報を再度各チームごとに整理し、自分たちが本当に見つめたい相手のより詳細の像を固めていく作業を行います。これは次回定例会までの宿題も兼ねて行います。
県外からの移住

私が見つめたいのは「地元への執着がない」とか「家族の思いで家に縛られてしまうこともある」と感じるような人たちだと改めて思いました。この人たちが移住を検討するなかで、家族との関係についてどう思っているのか、近所との付き合いをどうしたいのか、田舎ってどういうものだと思っているのかを聞いていきたいなぁと。
それを踏まえて、その人が追求したいライフスタイルや人生で大事にしていることを人物像に反映させたいと思います。
このチームが移住者への調査のなかで毎度直面してきたのが「移住先の習慣」と「家族」というものでした。その人の価値観で大きくこの2点に対する接し方が変わる。その辺りを自分が寄り添いたい人起点で明確にしていく必要がありそうです。
地域コミュニティと若者の接点

地域活動に対して、義務感や必要性からの要請ではなく「楽しい集まりであること」に対する憧れを抱いている人は一定いるのかなと思っていて。
またマンション暮らしで地域と関わるイメージがないからこそ自治会活動を大変だと感じるところもあるのかなぁとか、そんな小さい頃の家庭環境がすごく価値観に影響を与えているのかなぁと捉えていて、その辺から人物像を探っていけないかなと思っています。
地域コミュニティが感じさせる一種の義務感に対して疑問を抱きながら当初進めていたチームですが、いろんな取材対象との出会いで、地域コミュニティのポジティブな再定義化を試みているように感じます。実際にその辺りを必要に感じている人も県内には多数いるように思いますので、その人物像をもっと形にできると面白い洞察ができそうです。
滋賀で育む子どもの居場所

「親に迷惑をかけたくない」とか「周りの子供となぜ自分は同じようにできないのか」とか「周りから認めてもらいたい」とか、何かしら頑張らないといけないという気持ちを抱きつつでも理想から離れた自分自身に対してしんどい思いをしているという子どもの気持ちがだんだんわかってきた。
でもその子どもに寄り添うのがよいのか、支援する大人に焦点を当てればよいのか、まだ明確な答えが出せていません。
このチームは特に子どもではなく支援者への取材を通じて間接的に知るというアプローチをしてきたから悩んでいるのだと思うのですが、プロジェクトとしては第一に子どもの気持ちに寄り添うことで、第2フェーズの政策構築のところで彼らを支えていけるステークホルダーのことを見つめられたらいいんじゃないかなと感じました。空いた時間を使って一生懸命取材を繰り返してきているチームなので、よい形で洞察まで落とし込めるといいなと思います。
田舎を去っていく若者たち

最初はずっと田舎で生まれて育った人に焦点を当てていこう思っていたんですけど、これまでの調査を受けて、「転勤族である親の事情で子どもの頃に引っ越しを繰り返してきた人」に焦点を当てることにしました。その人たちの居場所、子ども時代の地域に対する感情などを浮き彫りにしていかなあかんなと。
彼らは「地元」や「ルーツ」を求めていないようにみえて、でも何かそういうものが欲しいというのが見え隠れしていて。そこを探っていきたい。
このチームは、これまでリサーチした先の結果がいずれも想定と異なるものでした。そこでそのギャップにあるものを見出そうとしているようです。

次回の定例会までに、各チームが感じた「探りきれていない部分」をリサーチしつつ、次回はいよいよ各チームの見つめたい「人物像」を描いていきます。これまでの調査から共感しうるペルソナをつくり、当日の定例会ではその人の価値観まで落とし込む作業を行う予定です。次回がこのフェーズの正念場になりそうですが、みんなで頑張って形にしていこうと思います。

最後は終電の間に合う人たちどうしで懇親会。こういうオンオフの切り替え大事ですね。