滋賀県職員若手有志を中心とした業務外の政策研究プロジェクト「Policy Lab. Shiga」は、「県民の本音」を起点にした政策形成について、滋賀県知事に向けた提言を取りまとめました。

行政の仕事は、与えられたスローガンや事務分掌だけに縛られてしまいがちです。滋賀県では「対話と共感、協働で築く県民主役の県政の実現」という経営理念が県行政経営方針で定められていますが、担当部署ごとに県全体の視点だけで政策課題を立てるのではなく、もっと組織の枠をこえ、「県民の本音」を起点にした、共感に基づく政策形成ができないか、考えました。

そこで本プロジェクトでは、「県民の本音」を起点にした政策形成のアプローチとして「デザイン思考」に着目し、2017年7月から約1年間、デザイン思考を活用した実践的な政策研究を行ってまいりました。今回の提言は、この活動とこれまでの行政の施策立案との違いを踏まえ、「県民の本音」を起点にした政策形成のために県庁が組織を挙げて取り組むべき事項としてまとめたものです。

今後は、メンバー各自が、活動の成果を自身の仕事に取り入れることを試みるとともに、「県民の本音」を起点にした政策形成について、県庁内での議論・検討を注視していきます。

提言

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提言の特徴

  • 滋賀県行政経営方針の基本理念としている「対話・共感・協働」の姿勢について、現状に対する問題提起をしています。
  • ビジネスや組織イノベーションなどで活用されている「デザイン思考」を政策形成に生かそうとしています。
  • 政策は主にマクロの視点でつくられる傾向がありますが、県民一人の幸せというミクロ視点を重要視しています。
  • 組織や事務分掌の壁を取っ払った、オープンな政策形成プロセスを重視しています。

提言文中の「取組み例」の概要について

今回発表した提言の「提言2. 県民の本音を起点にした政策形成を行うための組織および環境の整備」では、その取組み例を掲げていますが、それは例えばどのようなものを想定しているか、その概要をまとめました。

概要はPDF形式で、下記ボタンから読むことができます。なおこの内容は、県庁の職員施策提案制度を活用し、庁内規定の様式にて行政経営企画室あて提出しています。

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提言文中の「学んだこと」をポスターにしました

今回発表した提言でまとめた4つの「私たちが学んだこと」をポスター形式(A2サイズ)にしてみました。ポスターのデータは下のボタンから PDF 形式でダウンロードすることができます。

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イギリスの政府機関「GDS (Government Digital Service)」が定めた「Government design principles(政府デザイン指針)」のポスター版に触発されて作成しました。Principle と呼ぶにはまだベータ版のようなものではありますが、今後 Government design principles のような指針として発展していけたらと思います。

Government design principles – GOV.UK
Government design principles ポスター版(@govdesign.tumblr.com)

11月5日(月)、知事との意見交換を行いました

Policy Lab. Shiga のこれまでの活動と8月末に発表した知事への提言について、11月5日(月)滋賀県公館で、三日月知事とPolicy Lab. Shiga メンバーとの意見交換が行われました。この意見交換は、庁内事業として11月からスタートした「知事と話そう!職員座談会」の一環で行われたもので、Policy Lab. Shiga を始めたきっかけや1年間の活動・提言に書かれた思い等について、知事とメンバー間で、ざっくばらんな意見交換を行いました。

当日の様子をレポートにてまとめました。下記ボタンのリンクからご覧ください。

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提言後の県庁の動きについて

2019年度、滋賀県庁が行う個別の事業や動きのなかで、デザイン思考の活用を取り入れるアクションを具体的に始めることが決まりました。詳細は下記ボタンのリンクからご覧ください。

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