「県民の本音」を起点にした、共感に基づく政策形成を模索します


Policy Lab. Shiga は、滋賀県庁の職員有志を中心とした、新たな政策研究プロジェクトです(県非公式の業務外企画です)。

行政の仕事は、与えられたスローガンや事務分掌だけに縛られてしまいがちです。滋賀県では「対話と共感、協働で築く県民主役の県政の実現」という経営理念が県行政経営方針で定められていますが、もっと組織の枠をこえ、「県民の本音」を起点にした、共感に基づく政策形成ができないか、考えました。

しかし本音とは、本人でさえも簡単に言語化できないものです。顕在化されていないゆえ、通常のアンケートや統計データでわかるものではありません。
そこでこのプロジェクトではデザイン思考、特に「人間中心デザインプロセス」に沿った実践的な政策研究を行いながら、滋賀県の行政経営に欠けていることは何か模索し、知事に提言を行います。

デザイン思考(人間中心デザイン)とは?

デザイン思考(Design Thinking)とは、問題解決のプロセスの一つです。「ユーザーへの深い理解・共感を通じて問題を発見し、その解決サービスを、迅速かつ反復的に作っては見直していく」という、デザイナーがデザインの過程で用いる思考法を、ビジネスや組織イノベーションに応用したものとして注目されています。

なお Policy Lab. Shiga では、このデザイン思考のなかでも「人間中心デザインプロセス」に特化した政策研究を行なっています。

プロジェクト発足の経緯

滋賀県では三日月知事が2016年8月、デザイン思考の研究・実践で有名なスタンフォード大学「d.school」を視察し、デザイン思考について帰国後の知事談話で次のように述べました。

「デザイン思考」とは、問題・課題を克服して「イノベーション」つまり「変革」を起こすためには、「与えられた課題を解決する」「ソリューション(=解決策)を見つける」よりも、「現場に入り、隠れている本当の課題を見つけ出すこと」が重要であり、「課題解決にはアイデアをたくさん出し、解決策となりうる簡単な試作品やサービス、いわゆるプロトタイプをたくさん作ること」が必要だという思考法です。
本県も人口減少局面を迎え、これまでに経験したことのない新たな時代に入っています。「成長よりも成熟」「競争よりも共生」の社会づくりを進めていくためには、県政のあらゆる分野においてこれまでのやり方や考え方から脱し、県政に変革を起こしていく必要があります。
私たち行政もいま一度現場に入り、固定観念を排除して「本当の課題は何なのか」と課題を再定義し、たくさんのアイデアを出し合いながらその課題の解決に向けて挑戦していくことが必要だと感じています。

引用元: (知事談話)デザイン思考とは?/滋賀県

さらに、2016年12月に大津市内で開催されたシンポジウム「オープンガバナンス滋賀」のなかで、デザイン思考を活用した行政経営の事例としてイギリス政府の政策デザイン機関「Policy Lab」が紹介されました。

Policy Lab. Shiga は、これらの知事談話やシンポジウムでの発言に呼応する形で、賀県職員有志によって立ち上がりました。

プロジェクトの活動経緯・予定

このプロジェクトは2017年7月にスタート、2018年9月までの期間限定で活動をしています。
「トレーニング」→「実践」→「提言」という流れで進めています。これまでの経緯と予定は下記のとおりです。

トレーニング編(終了)

Phase 0: 政策立案のための問題発見トレーニング

2017.7

まずは「人間中心デザイン」とは何か、定性調査とはどのようなものか、その基本的な姿勢を学び、今後の活動の方向性を確認しあうためのトレーニングを1ヶ月かけて実施しました。

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実践編(進行中)


実践編ではメンバーの関心ごとにそっていくつかのテーマを設定し、それぞれのテーマにまつわる「人」に関する「2030年」をデザインするというロールプレイングを行っています。主に2つのフェーズに分けて活動しています。

Phase 1: 問題発見

2017.9-2018.4

参加メンバーの関心ごとにそって4つのテーマを設定し、それぞれのテーマにまつわる人が滋賀で暮らす上でどんなことを思っているのか、データやアンケートといった定量調査ではなく、観察やインタビューなどといった定性調査を重視して行うことで、顕在化されない「本音」に迫りました
その結果から4人のペルソナ(架空の人物像)を描き、彼らが2030年滋賀に暮らすにあたって抱える問題は何か、洞察としてまとめました。滋賀に暮らす若者のしんどさ、自分にあった地方との距離感などが、この調査で浮き彫りになりました。

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Phase 2: 政策のアイデア&プロトタイピング(進行中)

2018.5-2018.7

このペルソナから明らかになった個々の問題を解決するためのアイデアソンを、多様な主体と複数回にかけて開催します。約3ヶ月かけてプロトタイピングによる検証と改善を繰り返し、政策としてより良いものにしていきます

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提言編(予定)

Phase 3: 「県民の本音」を起点にした政策プロセス・予算編成・組織体制のあり方の提言

2018.8-2018.9

このプロジェクトが重視しているのは、共感に基づく政策形成のために必要な「プロセス」を、滋賀県の行政経営に反映していくことにあります。

上記のように Policy Lab. Shiga が実践する「人間中心デザインプロセス」に基づく1年間の政策研究の動きと、県行政として行われている1年間の動きとを比較し、現在の滋賀県の政策形成プロセスに欠けているものとは何か、その見直しに必要なこととは何かを、明らかにしていきます。

プロジェクトへの参加

このプロジェクトの活動の様子は、随時このウェブサイトで公開していきます。
なお参加について、Phase 1 の「問題発見」においては手法を重視するため各チームからの招待制(セミクローズド)としてきましたが、Phase 2 の「政策のアイデア&プロトタイピング」では原則オープンな場として参加可能です。Phase 3 の提言は、再び招待制(セミクローズド)とする予定です。

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